◆三味線の種類
日本の三味線は一種類で、形体を異にした多くの種類があるわけではありません。しかし、胴の大きさや棹の長さが幾分か異なったものを便宜上これを太棹と細棹とに区別して呼んでいます。さらにその中間のものを、中棹と呼んでいる人もいます。
また、地唄に用いる三味線は太棹と中棹との中間にになり、特徴があるためそれを地唄三味線と称しています。
太棹 ― 義太夫 <棹の太さ 八分七厘以上>
中棹 ― 小唄、地唄、常盤津 清元 新内 うた沢 <棹の太さ 八分五厘位~八分七厘位>
細棹 ― 長唄、一般俗曲 <棹の太さ 八分~八分二厘位>
●三味線の棹材
歌の種類・流儀を問わず主に唐木を使います。日本の材料は木質が柔らかで、したがって目方が軽く適当でありませんので、古くから唐木が使われてきました。唐木には、紅木、紫檀、花林、黒檀などがあります。
唐木という名前から中国産の木材かと思われがちですが、中国産ではなく、貿易が発達していなかった時代に東南アジア諸国、その他の熱帯地で出来る硬い木が中国を経て日本に入ってきたもので、そのため中国(唐)の木のように思いこみ唐木と呼ぶようになったのです。
<紅木(こうき)>
棹として最適、最高級の三味線が多くこの木から得られる。